肛門科

肛門科について

痔は、肛門周辺の病気の総称を言います。痔核は、俗にいぼ痔といわれ、肛門を閉じるのに役立っているクッション部分にある血管網に血がたまり、静脈瘤となってふくらんだ病気です。現代社会では、日本人の約3人に1人は痔を持っていると言われています。

痔になると、お尻を見られるのが恥ずかしいということで、なかなか治療に踏み出せないという方が多くいらっしゃいます。しかし、ほとんどの場合は手術を行わずに、薬による治療が可能です。

肛門科について

いぼ痔の治療・手術について

いぼ痔とは、痔の中でも最も多い症状です。いぼ痔は、内痔核と外痔核の2種類あります。内痔核は直腸側(肛門内)で、外痔核は肛門側(肛門の外側)に痔核という、できものが生じます。これは、血管の一部が膨らんでできたものです。

いぼ痔の治療に関しては、保存療法、アルタ療法、手術などがあります。

生活療法

生活習慣を見直し、痔の進行を抑えます。排便方法を変えること、肛門を清潔にすること、お尻への負担の減らすことなどをお教えします。

薬物療法

初期段階のいぼ痔であれば、内服薬、座薬、塗り薬での治療が可能です。痔かなと思ったら、恥ずかしがらずにできるだけ早めに診察することをお勧めします。

アルタ療法(内痔核硬化療法)

現在、いぼ痔に対して主流になりつつある治療法です。アルタ療法【内痔核硬化療法】は、脱出を伴う内痔核にジオン注とよばれる注射剤(硬化剤)を投与することで痔核を縮小し、脱出や出血を改善する治療法です。

これまで手術が必要とされていた痔核の一部に対しても有効です。治療時間はわずか30~60分程度で、外来治療(日帰り手術)が可能です。内痔核を切らずに治すとよばれる所以です。内痔核の脱出(症状:Ⅲ~Ⅳ度)に対して、注射でジオンという硬化剤を注入します。すると内痔核が硬化し、凝縮していきます。注射療法のため、切開の必要もなく、従来の手術に比べて、出血も痛みも抑えて治療が受けられます。

入院を必要とせず、外来で行えるのもメリットです。ただし、外痔核に対してこの治療は行えません。

切れ痔の治療・手術について

切れ痔とは、裂肛(れっこう)とも呼ばれています。その名の通り、肛門が切れたり、裂けてしまっている状態です。

切れ痔は、基本的に塗り薬と座薬で治すことができます。しかし、生活習慣が原因で治った後に切れ痔を繰り返してしまうこともあります。難治性裂肛や慢性裂肛で、肛門狭窄などがあれば手術を行うことがあります。

痔瘻の治療・手術について

痔瘻は肛門内から、主に肛門の外の皮膚に膿のトンネルができる状態です。前段階として発熱とともに肛門の周囲に痛みを伴うしこりが出現し、膿が形成されます(肛門周囲膿瘍)。その後、膿が排出されると熱発、痛み、腫れなどの症状は軽快しますが、その後も膿のトンネルが残った状態が痔瘻です。

痔瘻は他の痔とは異なり、手術のみが有効な方法です。

膿のトンネルにゴム糸を通して、徐々にしめていき開放していく方法(シートン法)は外来手術(日帰り手術)が可能ですが、治癒までに数ヶ月必要となるため、適応が限られます。

また、放置してしまうと膿のたまった管が複数できてしまい、入院が必要になってしまうので早めに治療しましょう。